casavouta日記

さえきさん

 さえきさんが亡くなったという。という、と書くのは、という、としか言えないからだ。さえきさんは母のお友達で、私が小さい頃から大好きだった人だ。
 さえきさんを一言で言うと素敵な人、っていうありきたりな言葉になってしまうのだけど、素敵な人ってどういう人?素敵な女の人ってどういう人?って考えるとさえきさんみたいな人なのだ。最近その亡くなったということをきいてから、さえきさんのことをよく思い出すようになった。そのうちに何故あんなに素敵なのかがちょっと言える様な気がした。まず、もちろん綺麗だしお洒落なのだが、さえきさんのお洒落さは本当にさり気ない。さえきさんは素敵な木版画を描いていた。いつも微笑んでいた。さえきさんがいると何となく幸せな気持ちになる。さえきさんがいると元気になる気がする。さえきさんはいつも応援してくれる様な気がした。さえきさんの魅力は周りを祝福する人だというところなのではないだろうかということに気がついた。
 自分は目立たなくてよくって、自分を見てとは決して思ってなくて、まわりをキラキラしてくれる、その祝福する微笑みで。だからさえきさんとしゃべった事の内容は今ではほとんど覚えていないし、でもいつもそこにいてくれるという感じがした。いのちの電話のボランティアをずっと続けていた。さえきさんと接して元気になった人はきっとたくさんいるのだろう。
 そんなさえきさんだから人に心配される事はいやだったにちがいない。だから病気の事もほとんど言わずに、つらい顔は一切みせずにいつのまにかこの世からいなくなってしまったのだ。
 さえきさんみたいになれる日は遠い。でも本当に素敵ですごい人はやっぱりさえきさんみたいな人なのだ。
 
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by casavouta | 2012-09-24 11:18 | 日々